キューバ編

2014.06.01

お洒落な傘が街を闊歩する

ラテンアメリカの島国キューバはカリブ海最大の 島であり、美しい自然から「カリブ海の真珠」とも譬 えられる。人口は東京都よりやや少ない約1116万 人。カストロやチェ・ゲバラ率いる革命軍がバチスタ 政権を打倒し社会主義国家に生まれ変わったの は、もう半世紀以上前だ。アメリカの制裁でどん底 に陥った経済は、近年、観光や輸出によって持ち直 しつつある。今年は日本とキューバの最初の交流と される支倉常長の慶長遣欧使節団のキューバ上陸から400周年に当たる年でもある。
基本的に11月~4月が乾季、5月~10月が雨 季だ。雨季といってもスコールのため、日本のよう に1日中降り続くことはない。ただし、9月、10月の ハリケーンシーズンは大荒れになることもある。
 ちょうど雨季の時期に当たる6月に現地を旅した、ネットショップ「H o l a m e x i c o 」(http://holamexico.jp/)の日本人女性スタッフに、現地の傘事情を聞いてみた。同店ではメキシコの雑貨やキューバのドローンワーク(刺繍の1種)の布地などを販売している。
 「私たちが訪れたときはとても雨が多く、ハバナ の滞在中4日間は、毎日一気に大粒の雨が降って は止むの繰り返し。傘を持っていない人もいて、 雨が降ると大勢が雨宿りしていた」。
 ただし、傘を手にしている人も多く目にした。 「キューバの人たちは本当にお洒落。主に大判の傘 を使っている人が目立ち、カラフルだったり、女性の絵が芸術的に描かれていたりするなど、ファッ ションにこだわりを持っているのがひと目でわか るものをしばしば目撃した」(女性スタッフ)。折り たたみ傘を使っている人もいて、長傘と折りたた み傘の比率は「半々くらい」という。
 傘はどこで購入できるのか。女性スタッフが突然 の雨に降られたときに、現地の中年女性に尋ねる と、親切に数カ所の傘売場に案内してくれたという。 だが、どこも売り切れ。後日散歩中にショッピングセ ンターの一角にある小売店で売っているのを見か けたそうだが、流通量は十分でないようだ。
キューバの日差しは強烈。女性スタッフは郊外へ 行くバスの中から、パラソルを差す男性の姿も見た そうだ。また、自身が日本から携行した刺繍の日傘 を差していると、道端で会った少女に欲しがられた という。日傘の需要もあるだろう。
 今後、経済の自由化が進めば、キューバ国民の 所得も上がっていくに違いない。デザイン性豊か なお洒落な傘が街を埋め尽くす日も、そう遠くな いかもしれない。

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