第5回 アンブレラ・マスター認定試験受験者の方からのご質問と回答
2012.12.20
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Q1
シャワーテストの20mmで20分間という基準は見なおしたほうが良いのでは?昨今の集中的な雨の降り方で、雨漏りが多発しています。お客様に説明する際に20mmでは納得されないことが多いので。 -
A1
耐漏水検査20mmで20分の基準については、気象庁では1時間当たりの降雨量が20~40mmで [ 大雨注意報 ] 40~60mmで [ 大雨警報 ] が出される目安となっています。20分間20mmを1時間当たりに置換えれば60mmとなり大雨警報時の検査基準になります。標準的な傘で20mm 20分の水量は6.7リットルの雨水を受けることになります。傘が無ければ全身がびしょ濡れになる水量です。
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Q2
修理において「部品がなくなった」という場合、その部分のパーツをすべて新しくする必要があるのですか? -
A2
傘骨の修理部材の質問であると思います。3年以上たつと廃番になるものがあります。部材にもよりますが、その場合は、パーツが無いため同じサイズの新しい骨に変わります。
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Q3
直射日光を当てると色あせや、表面加工が痛むといわれますが、晴雨兼用の傘の場合、日にあたって使用することも多くあると思います。表面が傷みやすくならないのでしょうか。 -
A3
染色堅牢度が達成していても経年変化で自然に色が劣化していくことは避けられません。 ご使用後は陰干しで通気性の良い場所で充分乾燥させたあと収納することにより劣化を遅らすことができます。
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Q4
汚れに対し、スポンジでポンポン中性洗剤云々と・・・・、そのあとは水で洗い流す必要はないのですか? -
A4
洗剤が付きすぎた場合は、水で洗い流して下さい。
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Q5
多間傘カーボン骨によく見られる傘のよじれによるカバーの巻き込みトラブルは、避けられないものですか? -
A5
傘が収納されている時は、つねに生地が左巻されネーム釦で留めているため巻ぐせが付いています。そのため傘を開く時は生地の巻ぐせを解すため軽く左右に振り生地と骨が絡んでないかを確認してからご使用下さい。中棒上ロクロの下に骨を開きやすくするためのゴムパッキンがついた製品もあります。
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Q6
引き線が真っ直ぐではなく、少し曲がっているのはなぜですか? -
A6
引き線は、親先骨・親元骨を開くための重要な役割をもっています。少し曲がっているのは閉じる時に細くさせるため補助骨のU字溝に収まるよう設計されているからです。
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Q7
傘を開いた際に、上ろくろでピタリと止まらず、多少カタカタするのは、風を上手に受け流すためだと販売員にいわれたが、本当にそのようなつくりなのか? -
A7
風を上手に流す機能と、上ハジキに下ロクロが収納され留められる迄の衝撃を緩和させるための空間として設計されているものです。
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Q8
軽量傘の規定は何か? -
A8
正確な規定は有りません。製品に使用されている部材の材質や生地の種類により各企業の基準(自社比較)で軽量傘の名称が使用されています。
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Q9
中棒と親骨の素材をタグになぜ記さないのか?あったほうが説明しやすい。表示がないと何の素材なのかわからない時がある。また、表示がないときは、どのように見分ければよいのか -
A9
品質表示は、経済産業省の家庭用品品質表示法に基づき規定項目の記入だけになっています。 見分け方ですが中棒に使用される材質は、木・鉄・アルミ合金の3種類です。鉄は磁石に付きますのですぐに判別できます。親骨の材質は、鉄・グラスファイバー・カーボンファイバーの3種類です。グラスファイバーは光沢の有る黒、カーボンファイバーは炭の黒で光沢が有りません。
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Q10
傘の主要素である骨、手元、生地の素材を表示しないのはなぜか -
A10
質問事項=9と同様です。生地の素材は生地の組成の項目に記入されています。
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Q11
UV加工、撥水の一般的な寿命は? -
A11
使用方法、使用頻度、収納方法等により効果の持続期間が異なります。
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Q12
日本洋傘振興協議会が製造している雨傘を見かけたことがある気がしますが、どういうことなのでしょうか。 -
A12
品質表示は、家庭用品品質表示法で決められており、表示者名の記載は、社名・団体名は法人登記された正式名称で記載することになっています。 「日本洋傘振興協議会」が製造元となっている製品を見かけた場合には協議会にご一報下さい。
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Q13
骨素材に関する表記がないのはなぜですか?また、素材(骨、生地等)のメリット、デメリット等を教えて下さい -
A13
質問事項=9と同様です。素材のメリット、デメリットに付いては質問内容が不明なため回答出来ません。
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Q14
グラスファイバーの骨は折れにくい反面、折れると皮膚に刺さったり、大変と噂を聞きます。実際に事故事例はあるのでしょうか。また、どの程度、発生しているのでしょうか? -
A14
グラスファイバーは細いガラス繊維を束にして成形されているため想定外の力が加わらない限り折れません。骨と骨を繋ぐ附属部分の折れは発生していますが本体の折れは発生していません。
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Q15
ジョイントがポリカーボネイトの傘がありますが、経年劣化による突然の割れが心配です。そのような事例はあるのでしょうか。 -
A15
ポリカーボネイト樹脂は寸法精度が高く強度に優れています。経年劣化で自然に割れる心配は有りません。
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Q16
中棒の上部についているセロハンテープは何に必要なのでしょうか? -
A16
セロハンテープの使用は、中棒と親骨の附属ダボと重なる部分で打痕による傷を防止するためのものです。
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Q17
日傘について、中棒のカタカタ音、キシキシ音がきになるというお客様からの問い合わせが多いのですが、調整もしくは中棒交換でも改善されないことがあります。お客様への適切な説明は、どうするのがベストですか? -
A17
二段や三段式の中棒は上下に滑らかにスライドさせるため若干の空間が必要です。その空間が音の発生原因になっています。中棒には音を小さくするためナイロン樹脂の六角塞をはめています。