フィリピン編

2010.06.01

色とりどりの傘を売る屋台が名物雨傘を晴れでも“兼用”として使用


太平洋の7,000を超える島からなるフィリピン。合わせて30万?という日本の約8割の国土に9,000万人以上の人々が暮らす。気候は熱帯性で一年を通じて温暖だ。季節は雨季と乾季に分かれ、日本と同様に6月からは雨季となる。異なるのはその雨季がなかなか明けず、11月まで続くこと、そして、降水量が半端ではないことだ。首都マニラでは最も多い8月で400mmを超える。同時期の東京のおよそ2倍以上だ。したがって、夏場はほぼ毎日、激しいスコールに見舞われる。

 このような“雨の国”フィリピンでは、日本と同様、傘を愛用する習慣が根付いている。街角ではショッピングモールでも、屋台でも、いたるところで傘が売られている。特に赤やピンク、青、紫など色とりどりの傘をワゴンいっぱいに詰め込んだ“傘の屋台”は、マニラの名物。50ペソ(約100円)〜 150ペソ(約300円)が相場だ。

 しかし、日本とフィリピンでは、傘の使い方に決定的な違いもある。フィリピン観光省東京支局のフィリピン人スタッフが教えてくれた。「フィリピン人の場合、雨傘を晴れているときの日除けにも使います。日本人は雨傘とパラソルを使い分けるでしょ?フィリピン人は一緒です」。つまり1本の傘をいわば“兼用”として使っているというのだ。
 同観光省大阪事務所のスタッフもこう話す。「マニラでは日本にあるようなビニール傘はほとんど見かけません。雨傘に日除けとしての機能を求めているからです」。
 経済的な事情もあるだろうが、一日の中で激しい雨も陽射しも同時に防ぎたいフィリピン人にとって、兼用は合理的な発想なのかもしれない。日本では雨にも陽射しにもしっかり対応できる「雨晴兼用傘」が販売されているが、この商品などはフィリピン向きといえるのではないだろうか。

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