ロンドン編

2012.05.31

週5日も雨が降る街の傘は?

今夏はロンドンオリンピックが開催される(期間:7月27日~8月12日)。電通総研の推計では、デジタル家電やグッズ、飲食関連などの支出により、日本国内の経済波及効果だけでも約8000億円になるという。

 しかし、心配なのが天気。ロンドンといえば、年中雨が降っている印象がある。ロンドン在住の日本人男性はこう話す。「昨年12月にロンドンに住み始めたが、着いてから1か月は毎日雨。朝晴れても必ず雨になったし、嵐のように降ったと思ったら10分で快晴になったり。傘を準備していると降らなかったり、逆に持っていないと急に降られたり、予想がつかない天気。風が強烈だから、傘が壊れることも多い」。

 屋外競技も多いオリンピック。大会は成り立つのか。日本にあるイギリスの公的機関のスタッフはこう答える。「確かに雨の日は多い。1週間のうち5日は雨が降る。ただし、1日中雨ということはなく、20分ほど降ったらすぐに止む」。これなら、競技も一時中断程度で済みそうだ。

 肝心の傘事情はどうか。ロンドン在住男性は、「雨が多い地域なのに、傘を持っていない人が多いことにビックリ。本降りになれば走るのが定番スタイル」と話す。ロンドンでは店の多くは軒下が長く、軒下伝いに歩けばそれほど濡れないという事情もある。 店頭に並ぶ傘も、色、デザインともに豊富ではない。公的機関のスタッフは、「イギリス人は日本の傘の種類の多さを見て驚く。先日もあるイギリスの女性から『日本のデパートでこんなに可愛い傘を買った』と、自慢げに見せられた」と、話す。イギリス人も本音ではおしゃれな傘が欲しいのだろう。

 一方で、イギリスには超高級傘がある。いわずと知れた、英国王室御用達のスウェイン・アデニー・ブリッグ、そしてフォックスである。イギリス人のみならず、世界各国の紳士が、本店や工房を訪れ、破格の一本を誂える。
 平凡な傘しかないと思いきや、世界的な老舗傘ブランドが息づく。雨に煙るロンドンの傘事情は、実に不思議なのである。

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