ポルトガル編

2010.10.01

肩掛けストラップ付きの傘が人気
コルクはワインでなく傘に使う?


ポルトガルの面積は日本の4分の1、人口は10分の1程度だ。ヨーロッパの最も西にあり、他の欧米諸国と比べると日本での馴染みは薄い。しかし、実は日本人が初めて遭遇したヨーロッパ人がポルトガル人だ。1543年の有名な種子島への漂着である。それから鎖国までの約100年間は、南蛮貿易を中心に盛んに交流した。日本にとっては、かつての常連さんである。

雨の降る時期は、日本とほぼ逆の傾向だ。東京で雨が多い春から秋は首都のリスボンは乾期のためほとんど降雨がない。一方、東京では雨が少ない11〜2月には非常に多くなり、ほとんど毎日雨が続くこともあるという。傘の出番となる時期があるのだ。

では、どのような傘を使っているのか。現地在住歴のあるポルトガル政府観光局の女性スタッフはこう話す。「長傘タイプで、手元はストレートであり、長いストラップが取り付けてある傘をよく見た。午前中に激しく降って午後はカラッと青空になることが多く、晴れたら肩掛けにして持ち運びがしやすくなっている。特に若い人たちにはカラフルなものが人気だった」。なぜか折りたたみ傘はほとんど見かけず、肩掛けストラップ付きの傘ばかりが目立ったという。
一方、全世界のコルク生産量の7割以上を占める同国では、コルクを使った傘も作られているそうだ。使用部位は手元と思いきや、なんと生地。「コルクははっ水性が高く、傘生地に適した素材。土産物店などで売られている」と、女性スタッフは言う。
近年、EUの市場統合により、自国らしさが徐々に失われつつあるというポルトガル。独特の傘文化はどうなるのか、行方を見守りたい。

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