生地編Part1

2011.03.01


Q:生地はどうやって作られるの?

A:原糸、糸の太さ、糸の光沢、織り方、織機(織る機械)の5つの要素の組み合わせによって製造される。その組み合わせは無限に近い。傘メーカーのデザイナーや生地メーカーの担当者が話し合って決めるよ。

Q:例えばどんな原糸があるの?
A:雨傘の9割はポリエステルが使われる。一方でパラソルは8割が綿、綿麻、TC(綿とポリエステル)といった綿がらみの原糸で作られる。ちなみにポリエステルは1本の糸が途切れないことから長繊維(フィラメント)、綿や麻は細く短い糸を紡いで作るため短繊維(ステーブル)と言うよ。

Q:長繊維の糸の太さはどうやって測るの?
A:糸の太さは昔は「デニール(D)」という単位で測られ、今は国際規格の「デシテックス(T)」という単位が使われるようになってきている。1Dは長さ9km当たり1gの糸の太さ、1Tは10km当たり1gの糸の太さのこと。太さは普通断面の直径を測るけど、糸は断面の形が様々なので計測が難しい。だから一定の長さの「重さ」で太さを表すことになったんだ。DからTに移行しつつあるけど、両者が混在しているのが現状かな。

Q:傘によく使われる糸の太さは?
A:50D(9km当たり50g)や75D(同75g)の太さだね。デシテックスに換算すると、56T、84Tということになる。ただ15Dという細い糸で作られることもある。これは最近売場でよく見かける「超軽量傘」に使われているんだ。

Q:それらの糸は1本の糸なの?
A:いや、何本かの細い糸を撚り合わせた①マルチフィラメント糸か、さらに細い糸をたくさん撚り合わせた②ハイマルチ糸であり、基本的にはほとんどの傘は①で作られる。①では、24本で50D、36本で75Dの太さにした糸がよく使われているね。②は①の倍の48本で50D、72本で75Dにした糸が多く使われている。②を使うと目の詰まった生地になるため、コーティングしなくても水を通しにくいといったメリットがあるんだよ。なお、1本の糸の③モノフィラメント糸もあり、透明感のあるオーガンジーの生地などで使われるよ。

→次回(Part2)に続く
(取材協力:東京田川株式会社)

 

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