だれのかさかな?(厚生省中央児童福祉審議会児童福祉文化奨励賞受賞)

2011.01.01
「だれのかさかな?」作・絵:東君平
(フレーベル館・2009年10月刊)

 ほのぼのとしたタッチが人気の東君平氏による傘の絵本である。東氏は、父の死去と破産で家族離散の憂き目に遭うなど、不幸な幼少時代を過ごした。その後職を転々とする中で精力的に絵を勉強し、22歳でイラストレーターとしてデビューする。33歳からは絵本作家に転身して、1986年に46歳の若さで亡くなるまで数々の童話、絵本を残し、「詩とメルヘン賞」を受賞するなど高い評価も受けた。

 「だれのかさかな?」は1983年に発表された幼児向けの作品だ。最初に登場するのが赤い傘。「だれのかさかな?」という問いがあり、ページをめくるとその傘を差した持ち主が現れるという仕掛けだ。続いて、青い傘、大きな傘、黄色い傘……。同じように次のページに持ち主が出てくる。読み手が子どもに問いかけながら、リズムよく読み聞かせできるのが特徴だ。

 幼いわが子とのコミュニケーションに悩む新米パパやママは意外と多い。この絵本はそうした親たちの福音ともなりそうだ。

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