香港編

2006.03.01

香港女性は雨傘がパラソル代わり、120年の歴史誇る名物店も


香港は、世界を代表する国際観光都市。2005年の全世界からの渡航者数は約2335万人と、日本の約3.7倍。日本からの渡航者も昨年は120万人を超え、観光にビジネスに非常に馴染み深い都市となっている。さて、その傘事情を覗いてみると……。

香港は亜熱帯に属し、気候は基本的に高温多湿。雨季は5〜7月で降雨は一気に降り注ぐスコール型だ。そして、「雨が降れば日本同様に傘をさす」と現地在住の日本人教師でブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/mori2hk)で香港の情報を提供している森山正明さんは説明する。ただし、以前レポートしたシンガポール同様、「中心街では屋根付き歩道や地下道が発達しているため、傘なしでも濡れずに移動できる。私も中心街に行くときは傘を持たない」とも。さらに、雨が降り出せばコンビニの店頭に首尾よく傘が並ぶし、ファーストフードでは無料で傘の貸し出しサービスも提供。「持ってなくてもなんとかなる」というのが実情のようだ。
一方、日傘の使用状況はどうかというと、女性はお肌のケアのため、日差しの強い日は傘を用いるが、それはパラソルではなく日頃愛用する雨傘。「ファッションよりも合理性を大切にしている」(森山さん)。
そんな香港にも、洋傘の専門店はある。店名は梁蘇記遮廠(Leung So Kee Umbrella Factory)。香港で一、二を争う名店だ。創業は1885年というからもう120年も前。戦前から傘一筋で商売を続けてきた創業者の生涯は本や舞台化もされているという。値段は2〜300香港ドル(3〜4千5百円)と香港では少々高めだが、「とにかく丈夫で、こちらの強い雨や台風でも壊れない」と絶賛。香港でも洋傘店の誇りが脈々と息づいているのはうれしい限りである。

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