タヒチ編

2006.06.01

雨季には長雨になるケースも
いにしえのタヒチ人は“自然の雨傘”を使用?


タヒチ島は南太平洋上の真ん中に広がるフランス領ポリネシアの118島ある島々の中の一つ。経度はハワイとほぼ同じ、緯度はオーストラリア北部のケアンズと同じくらいに位置する絶海の楽園だ。亜熱帯気候の常夏の島で、季節は4月〜11月の乾季、12月〜3月の雨季に大別される。雨季にはスコールが見られ、特に島中央部の山々が連なるジャングルでは一日中降ったりやんだりが繰り返される日も。また、2、3日雨雲が空を覆い、長雨になるケースもある。

「でも、現地の人たちはほとんど傘を差さない」と、タヒチ観光局のスタッフは話す。ズブ濡れになっても気にせず歩くか、建物の軒下で雨が上がるのを待つか。とにかく傘を差す習慣はない。一方で、「高級ホテルには宿泊客用に部屋ごとに傘が備え付けられている。街の大型スーパーでも価格は高いが店頭に並んでいる」とタヒチ唯一の航空会社であるエア・ヌイ・タヒチの日本人スタッフは傘の存在は認める。ただし、高級ホテルも高価な傘もタヒチの一般庶民にとっては高嶺の花であり、接点は見出せない。
しかし、「昔は傘を使っていたのでは」という証言も聞かれる。現地で観光ガイドを務める南米系タヒチ人は、大粒の雨が降りしきる中、南国特有の大きな葉を樹木からもいで頭上にかざし、「こうすればいつでも傘代わりになる」と、観光客の笑いを誘う。実際に傘の代役を果たしそうな大型の葉は今でもジャングルの至るところに群生。この話もあながち信憑性がないとはいえない。目を閉じると、いにしえのタヒチ人が“自然の雨傘”として使った光景が目に浮かぶようである。

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