インドネシア編

2007.03.01

にわか雨と強烈な日差し

通称「傘小僧」が営む珍商売
 

インドネシアは赤道を挟み南北千8百㎞、東西5千2百㎞に広がる、大小1万3千7百もの島々からなる世界最大の島嶼
国。国土は日本の5倍、人口は世界第4位の2億4千万人。バリ島、ボロブドゥールやプランバナンの寺院遺跡群など数多くの観光資源に恵まれた国でもある。
 そうしたスケールの大きい国の気候を大まかにいうと、4〜10月が乾季、11〜3月が雨季。「でも、ここ数年は雨季入りが遅れ、明けるのもまたズレ込みがち」と、首都ジャカルタ在住歴4年半で、自らのブログ(http://blue.ap.teacup.com/sophiark/)で現地情報を発信する中野千恵子さんは指摘する。今季の雨季は12月に本格化。年が明けて2月初めには豪雨が続き、大洪水が首都を襲った。しかし、雨による災いは珍しく、今回も5年ぶり惨事。通常の雨季では毎日夕方に1時間程度の雷雨に見舞われるのが定番だ。
 スコールが多い中、「傘を差す人はもちろんいるが、雨を気にせず、濡れながら歩く人も結構多い。傘は、高級ブランド
品はあまり見かけず、虹のような配色の妙にカラフルなものや、使い古したものなどが目立つ」と、中野さんは解説する。
 一方で、「傘貸し」という珍商売もある。中野さんによると、突然の大雨のときに「傘小僧」と呼ばれる子供たちがどこか
らともなく集まり、傘を有料で貸し出すという。駐車場からショッピングモールの入口までなど〝一瞬〞が彼らの商機。1回千ルピア(約13円)が相場だ。「子供たちは自分たちが濡れることは全く気にせず商売に励む」と、中野さんはいう。
 傘小僧はボロブドゥールなどの観光名所にも出没する。「パユン、パユン(傘、傘)」と口ずさみながら近付いてくる。恵みは雨だけではない。晴れの日でも日傘として勧めてくるそうだ。
 にわか雨と強烈な日射し。その国特有の気候から生まれる傘事情もあるようだ。

ページトップへ

  • 街角傘美人
  • アンブレラマスター紹介
  • アンブレラ・マスターがいるお店