ギリシャ編

2004.08.01

古代ギリシャでは傘は女性の専売特許?


紀元前776年、オリンピックという一大イベントを生んだギリシャ。首都アテネでは1896年に第1回近代オリンピックが開かれ、今年再び発祥の地に戻ってきた。典型的な地中海性気候でまさに“雨知らずの”のギリシャでは、屋外競技の進行もスムーズだろう。
しかし、一見傘と縁遠いギリシャは、実は、傘の歴史が深い。五輪誕生の頃には既に傘に関する記述がある。ただ、祭りなどの小道具としての使用がほとんどで、日常生活でさす習慣はなかったようだ。それが、紀元前5世紀ごろになると、次第に日陰を作る道具として使われ始める。傘を差すのは女性の専売特許で、男性は女性に差しかけるときだけ、使用を大目に見られた。傘を颯爽と差して街を歩く貴婦人、俗に言う「相合傘」で女性を気遣う男性。そんな姿がギリシャの街のあちこちで見られたわけだ。
さて、翻って今日のギリシャはどうか?冬に多少の雨雲を目にするものの基本的には一年を通じて雨は少ない。「だから日本のように傘が街のどこでも手に入るという訳にはいかない。万が一雨に降られたときに濡れるのが嫌な人は、日本から折り畳み傘を持っていったほうがいい」とはギリシャ政府観光局のスタッフ。パラソルについても事情は雨傘と同じでさす人は稀。今日では、女性にさし掛けるのは心優しい男性のみか?オリンピックに沸くギリシャだが、同時期に生まれた傘も一緒に復活…というわけにはいかないだろうか。

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